業務ソフトも「部分最適」から「全体最適」へ

会計、販売管理、給与計算などの、いわゆる基幹業務を管理するシステムについては、長い間、Windowsアプリケーションが市場シェアのほとんどを占めています。
その理由について自分なりに分析すると、以下のような理由が考えられます。

・日本の細かい業務処理に対応するために、長い年月をかけてソフトウェアをバージョンアップして来た。ソフトメーカーとしてはWindowsで開発した現在のソフトウェアを今さら捨てて、別のプラットフォームに移行できない。

・OSとしてのWindowsに慣れてきた日本の管理部門にとって、Windowsの操作性そのものが標準であり、その他のプラットフォーム(Mac、クラウド環境におけるブラウザ)の操作性が受け入れられない。

・後発のソフトメーカーが、先行するWindowsソフトメーカーのソフトウェアを追随することばかりに躍起になり、細かい機能を追って、結果、先を行くメーカーを追い越すことが出来ずに、既存のメーカーのシェアを減らすことができない。

メーカーが陥っている「イノベーションのジレンマ」、そしてユーザーの保守的な考え方(出来ることなら現状を維持したい)、これら双方からの強烈な力により、十年来、業務ソフトのシェアが大きく変わることはありませんでした。それどころか、強者のソフトはますますそのシェアを拡大し、強くなっている状況です。

 

ここでWindowsの業務ソフトを非難する意図はありません。
現に、非常に細かいところまで高度に機能アップが図られ、様々なニーズに対応できるように変化を続けています。コストパフォーマンスが高いのも間違いありません。選択を間違えなければ、ツールとして非常に有効です。

ただ、これらのソフトの基本設計がされたのは、もう15年以上も前の事であり、現状にフィット出来ていない部分もあります(これについては機会を改めて述べます)。そろそろ、業務ソフトに新たな潮流が出てきてもいいのでは、と考えます。

 

私が考える新たな潮流、それは「連携」と「クラウド」です。
業務ソフトは、部分的に極度に最適化を図るいわゆる「部分最適」から脱皮し、連携することで(しかもここまですでになされている連携とは別次元の)全体最適を図るべきです。

そしてそのためのツールとして使えるのが「クラウド」です。
クラウドのメリットを、そろそろ業務ソフトも最大限に活用すべきです。

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